消化器内科
消化器内科について
消化管(口から肛門まで全長約9mの管状の臓器)と、それにつながっている胆嚢、肝臓、膵臓などに潰瘍や結石、腫瘍などができていないか、あるいはウイルスや細菌に感染して症状を起こしていないかなどを診療します。胸焼けや腹痛、嘔吐、下痢、便秘、血便、貧血などの症状がみられた際は消化器疾患が疑われます。また、原因不明の体調不良で内科を受診される患者様も消化器の病気であることがしばしばあります。
日本人で1年間に新たにがんと診断されるのは、国立がん研究センターがん情報サービス「2013年がん登録・統計」によれば男性49.4万人・女性36.4万人で、うち消化器がんは男性24.1万人(48%)・女性14.2万人(39%)、消化管がんは男性18.5万人(37%)、女性10.1万人(28%)です。消化管のがんは定期的に内視鏡などの検査を行い、早期に発見することができれば外科手術をする必要はなく、内科的な治療で治すことができます。胃がんの発生はヘリコバクター・ピロリ菌感染による慢性胃炎との関連が示唆され、除菌とその後の内視鏡検査による監視で胃がんによる死亡率が低下することが分かっています。また大腸がんは腺腫と呼ばれる腫瘍性のポリープを切除することによって発生が抑えられることが分かっています。
当院長は消化器疾患診療、内視鏡検査・治療のエキスパートであり、必要に応じて内視鏡検査(胃カメラ、大腸カメラ)をはじめ、超音波検査(エコー)、レントゲン撮影などを行い、的確に病変を捉えます。大腸ポリープは入院が必要なほど大きなものやリスクの高いもの以外はその場で切除し、日帰りが可能です。
このような症状がある場合、ご相談ください
- お腹の調子が悪い
- 胸焼けがする
- 胃が痛い
- 胃もたれがする
- 吐き気がする
- 下痢を繰り返す
- 便秘がちである
- 血便が出た
- 食欲が無い
- 急に体重が減少した
- 顔色が悪いと言われる など
消化器内科の主な対象疾患
- 逆流性食道炎
- 胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- ピロリ菌感染症
- 感染性胃腸炎
- 機能性消化管障害(ディスペプシア)
- 便秘症
- 過敏性腸症候群(IBS)
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 大腸ポリープ
- 胆石症
- 肝機能障害
- 肝炎
- 肝硬変
- 膵炎
- 胃がんや大腸がんなどの消化器がん など
内視鏡検査とは
当クリニックの内視鏡検査は、食道や胃、十二指腸などを直接観察する上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と、大腸を直接観察する下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を行っています。
内視鏡検査は、消化管内に炎症や感染、ポリープやがんなどの腫瘍性病変があるかどうかを診断します。なお同検査は観察するだけでなく、組織を採取(生検:ごく小さい組織片をつまみ出し、顕微鏡などで詳しく調べること)することができ、また必要であればポリープ切除などの内視鏡的手術も行うことができます。
当院長は消化器内視鏡専門医・指導医として、様々な消化器疾患に対して胃カメラや大腸カメラによる診療を行ってきました。“辛くない・苦しくない”内視鏡検査は多くの患者様に評価をいただいております。初めて検査を行う方には、内視鏡を体内に挿入する際に苦しくならない方法などを丁寧にアドバイスします。内視鏡検査に不安があるという方はお気軽にご相談ください。
ご希望の方には鎮静剤を注射し、眠ったまま内視鏡検査を行います。検査後は十分覚醒するまでお休みいただきます。当クリニックは鎮静剤を用いた検査後の回復や、大腸カメラ前の下剤による前処置にご利用いただけるよう、ゆったりとした個室を5室用意しており、お気軽かつ安心して内視鏡検査を受けていただくことができます。
過敏性腸症候群とは
原因が特定できないまま、腹痛・下痢・便秘といった胃や腸の不調を繰り返している状態を過敏性腸症候群と言います。なお腹痛の症状は排便をすることで楽になることが多いようです。
これらの症状があるからと医療機関を受診しても消化器管内に異常(炎症や潰瘍など)が認められないのが過敏性腸症候群の特徴です。原因としては、患者様ご自身が感じるストレスや不安、過労や緊張といったことが、自律神経を乱れにつながり、そのことが引き金となって腸の運動や消化液の分泌活動に異常がみられるようになり、下痢や便秘といった症状が現れるようになります。また腹部症状以外にも抑うつなどの精神症状を伴うこともあります。このほか、暴飲暴食、アルコールの過剰摂取、不規則な生活習慣などでも発症することがあります。
なお、過敏性腸症候群は主に4つのタイプ(便秘型、下痢型、混合型、分類不能型)に分類されます。症状が重くなると頻繁にトイレに駆け込みたくなり、外出を控えるなどQOL(生活の質)を低下させてしまうこともあるので、単に精神的なものだからと自己解決することはせず、医療機関で一度診察を受けることをお勧めします。なお、サラリーマン世代で最も多いのが下痢型で、女性は便秘型になりやすいです。
治療については、対症療法として下痢止め薬や腸の状態を整える整腸剤などは有効ですが、これでは根本的な解決とはなりません。ストレスが原因の場合は、そのものを避けるようにするとか、無理な場合は考え方を変えるなどしてストレスとならない方法を模索するようにします。また、暴飲暴食や不規則な生活習慣が原因であれば、日頃の生活習慣の改善も併せて行います。